余白-コトバの外側

白と黒の間に世界は無限に在る

2017-01-01から1年間の記事一覧

過去は今日の影

今日と明日は昨日の結果ではなくて 過去は今によって様々な価値をつけられる。 過去は変えられないどころか 過去は常に意味を変える。 過去は今日の影のようなものだ。 だから、今日も歩こう。

すとんとスイッチが入った

夏の幕引きはイキナリであった。 秋はすとんと心の真ん中にやって来た。 雲の形がまだもこもこしていても 肌に触れる空気は秋だ。 秋は戦闘の季節で 出し尽くす季節で 走る季節だ。 今は前しかみない。 いろんな事は三ヶ月後にふり返ろう。

夏の明け方にみた長い夢

個展前のアトリエのように雑然と散らかった夢だったが、いくつか印象的な箇所があった。 またも美大に在学中という設定だ。 10代に戻ったわけではなく、今の私で、そして筆を探している。 広く近代的な校舎の中でMさんに会い、立体作品を作るという彼女にス…

目的地の途中の降りたことのない駅で次の電車を待つ間

風の森という名前の美術館に 行く時間をやっと見つけた。 展示会の予定が来週まで延びて 搬出の日が1週間延びたのだ。 3時間かかるというので 朝から遠足の気持ちで リュックサックに 心持ちうきうきを詰め込み 電車を乗り継ぐ。 初めて降りる駅のホームの…

椰子の木は唄う、南風は運ぶ。唄は滑らかな海をわたる。

南の島の家に 波と風を描きたいと思った。 風は扉を開けてすぐの玄関に。 波は横たわり休む間に。 風は細い空気の動き 椰子の木にまとわり 島の記憶を運ぶ。 海岸に寄せる波が 風の中に 潮をのせる。 そんな筆の運びを想う。 山に守られて育ったわたしは 海…

六月の青い水の底

ふたつの大きな出し物を終えて もう夏には何もしない。 ずっと水面でぷかぷか浮いていた 「やりたい事の泡」が ゆっくりと丸くなって 水の底に落ちていく。 すとんすとんと 綺麗な丸になって、しばらくそこで熟すのだ。 泡が「実になろう」と決まるのは 決意…

南の島の端っこに風の通る道をみつけに

走るときは 前を見ていないと 時々危ないわけなのだが 何かにぶつかったり 道を間違えたり そういう類の失敗について。 しかしながら ここ数ヶ月は 走りながら見ているのは前でも後ろでもなく 横でもなく 私自身のなかだ。 今走っている道と 私の中にあって …

時間が足りない夏に小さな別離をいくつか課す

にぎわいの家の蔵展示。 茶屋町のスロウデイ。 そこに割り込む沖縄のゲストハウス。 こんなことばかりしていたら 楽しすぎて破産しそうな予感、 今日 やることを選ぶべきという言葉をもらった そうなんだろうなと 少し前からわたしも どこかで気がついていた…

逃亡したいような四月

五月の準備をしつつ 六月のことを考え 四月の仕事が収まることに胃を痛める。 じゅうぶん 勤勉ではなかろうか。 緩急ない勤勉さだ。 家の中でくるくる時計が回っていく 時間が足りないことに 腹をたてるがその怒りに行き場はない。 気がついたら 桜は散って…

ひざをやわらかく曲げる四月

ここ数年ひかなかった風邪を、二月と四月に続けてひいた。風邪を理由に 花冷えの雨の日にぬくぬくと眠る。コップに溢れそうな水の底に膝をかかえて眠る。目覚めたら、薄暗がりの部屋は時間もわからないからまた眠る。魔法にかけられたように、眠っても眠って…

走りながらはじまった2017年と「いつかしの月」のこと

「いつかしの月」という物語を舞台の上に乗せた。歌とかたりの公演。そのことについてすこし書きたい。額田王のファンタジーは、ほんとうはSFとして書いていて、歌語りのメンバーとの話し合いで万葉をテーマにすると決まった時額田で書くしかできないだろう…