余白-コトバの外側

白と黒の間に世界は無限に在る

ひざをやわらかく曲げる四月

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ここ数年ひかなかった風邪を、

二月と四月に続けてひいた。

風邪を理由に


花冷えの雨の日にぬくぬくと眠る。

コップに溢れそうな水の底に膝をかかえて眠る。

目覚めたら、薄暗がりの部屋は時間もわからないからまた眠る。

魔法にかけられたように、眠っても眠っても眠る。

起きたら百年過ぎていそうなくらい眠る。

 

シチューの中のニンジンがとろとろ溶けそうなくらいに眠る。

目覚めたら、世界はきっと春なのだ。

ぴょんぴょん飛び跳ねる春なのだ。