余白-コトバの外側

白と黒の間に世界は無限に在る

-the birthday- 夢のあとさき

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印刷の変遷は

内側から見ると手工業から機械化をのぼりつめた後、デジタル化していった

アートを

特殊な階級の人たちの元から町の人々が楽しむものへ

広めていったのは印刷だ。

ミュッシャからカッサンドラ。

大好きな作家たちはそこから出てきた。

 

Gデザインをし始めたころ

まだマッキントッシュは生まれていなかった。

ロットリングや烏口で線を引き、写植屋さんに文字を作ってもらい

カッターとペーパーセメントもデザイナーの道具。

色紙でコラージュしたものが原稿だったりした。

印刷がもっと一般的になると、まぁデザイナーもいらなくなるか。

そんな時代も来るだろう。

そうなっても、わたしは創るさ。

生きてる限り。表現したいものがある限り。

 

ありがとう。

この場所が産んできたもの。

この場所が持っている記憶。

 

この日、いくつかの種が

みなの胸奥に飛んで落ちて

ある日また芽が吹いていく。

全然違うものとして。

 

そして言う。

「そういえば、あの日が最初だったよね」と。

きっと言うよ。

 

-the birthday-

まだ来ない新しいものの

誕生日おめでとう。

 

写真: 松鹿舎(奥田晃介・菜々子)
※いい写真を。ありがとうございます。
笑いながら描いてますね。すごく楽しかった。
太鼓の音が心臓の音だった。
ここから先に、何かが咲いていく。そんなことを描きたかった。