余白-コトバの外側

白と黒の間に世界は無限に在る

夏のはじめの水の匂いと目的の定かではない遠泳

夏の手前の

すこし長い夕暮れ

水の匂いは

どこかで降った雨を

風が運んできたのか

それとも

記憶の中のプールの匂いか

同じことを繰り返す毎日が

だいたい人生だとしたら

いまは予測のつかない波の中

ただ精一杯泳いでる

金づちなんですけど

奇跡的に泳げている

どこにたどり着くか

そもそも何処を目指しているのか

わからん。けど、出来るだけ遠くに。


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生まれた町

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木漏れ日の揺れる道

 
階段のコンクリから伸びる草
 
坂と信号
 
学園前をあるく
 
生まれた町
 
あやめ池小学校
 
伏見中学
 
一条高校
 
京都の短大
 
大阪の会社
 
いつも学園前はおかえりと
 
言っていた
 
 
1番はしっこの店は本屋さん
 
パーラー
 
プリンに憧れた
 
百楽
 
中華に衝撃をうける
 
 
忍び込んでグラウンドで遊んだ
 
生まれた町の片隅に
 
ちいさい私が今も棲んでる
 
 
 
 

壁、また、壁、のクエスト消化中

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子供の日

小さな草花が路地に咲く

長屋のゲストハウスのお庭で

ゴンチチをかけながら

小さなお花の絵を描いた

空から光は溢れていて

甘い白ワインを飲みながら

人々はにこにこして

金色のお休みという名前にふさわしいよな

一日。

次の日

いつのまにかメンバーに入っていた大きなプロジェクトのことで

お願いをしに大阪へ
そしたらそれどころじゃなくて

渦の真ん中にいたという驚き。

出来るかどうかはともかくも

壁が大きければそれだけ成長するものだ

今年は大きな壁が次々にやってくる

神様のプレゼントかと思えばいいのか

-the birthday- 夢のあとさき

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印刷の変遷は

内側から見ると手工業から機械化をのぼりつめた後、デジタル化していった

アートを

特殊な階級の人たちの元から町の人々が楽しむものへ

広めていったのは印刷だ。

ミュッシャからカッサンドラ。

大好きな作家たちはそこから出てきた。

 

Gデザインをし始めたころ

まだマッキントッシュは生まれていなかった。

ロットリングや烏口で線を引き、写植屋さんに文字を作ってもらい

カッターとペーパーセメントもデザイナーの道具。

色紙でコラージュしたものが原稿だったりした。

印刷がもっと一般的になると、まぁデザイナーもいらなくなるか。

そんな時代も来るだろう。

そうなっても、わたしは創るさ。

生きてる限り。表現したいものがある限り。

 

ありがとう。

この場所が産んできたもの。

この場所が持っている記憶。

 

この日、いくつかの種が

みなの胸奥に飛んで落ちて

ある日また芽が吹いていく。

全然違うものとして。

 

そして言う。

「そういえば、あの日が最初だったよね」と。

きっと言うよ。

 

-the birthday-

まだ来ない新しいものの

誕生日おめでとう。

 

写真: 松鹿舎(奥田晃介・菜々子)
※いい写真を。ありがとうございます。
笑いながら描いてますね。すごく楽しかった。
太鼓の音が心臓の音だった。
ここから先に、何かが咲いていく。そんなことを描きたかった。

 

 

 

黒に潜る

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去年、にぎわいの家で展示した屏風を

 

すこし我儘をいい

 

なおしてもらいました

 

やはり

 

縁がないほうがすき

 

せっかくつけてくれたに

 

ごめんなさい

 

黒の懐というタイトルで

 

描いたこの屏風は

 

なんだか水の中に

 

潜るような風にみえる

 

私が

 

潜りたいからかな。