夏の手前の
すこし長い夕暮れ
水の匂いは
どこかで降った雨を
風が運んできたのか
それとも
記憶の中のプールの匂いか
同じことを繰り返す毎日が
だいたい人生だとしたら
いまは予測のつかない波の中
ただ精一杯泳いでる
金づちなんですけど
奇跡的に泳げている
どこにたどり着くか
そもそも何処を目指しているのか
わからん。けど、出来るだけ遠くに。
巣にもどる六月
夏は墨が腐るので
去年、ちいさな冷蔵庫を買った。
屋根裏の一番暑い私のアトリエ
私の巣。
四月と五月、飛び続けた翼を
休める六月
ほんとうに休めるかどうかは別として
出し尽くした・・・・
巡業した・・・・
描きたい。
巣にもどって描きたい。
脳内花園
どうも最近
脳みそがラテンです
-the birthday- 夢のあとさき
印刷の変遷は
内側から見ると手工業から機械化をのぼりつめた後、デジタル化していった
アートを
特殊な階級の人たちの元から町の人々が楽しむものへ
広めていったのは印刷だ。
ミュッシャからカッサンドラ。
大好きな作家たちはそこから出てきた。
Gデザインをし始めたころ
まだマッキントッシュは生まれていなかった。
ロットリングや烏口で線を引き、写植屋さんに文字を作ってもらい
カッターとペーパーセメントもデザイナーの道具。
色紙でコラージュしたものが原稿だったりした。
印刷がもっと一般的になると、まぁデザイナーもいらなくなるか。
そんな時代も来るだろう。
そうなっても、わたしは創るさ。
生きてる限り。表現したいものがある限り。
ありがとう。
この場所が産んできたもの。
この場所が持っている記憶。
この日、いくつかの種が
みなの胸奥に飛んで落ちて
ある日また芽が吹いていく。
全然違うものとして。
そして言う。
「そういえば、あの日が最初だったよね」と。
きっと言うよ。
まだ来ない新しいものの
誕生日おめでとう。
写真: 松鹿舎(奥田晃介・菜々子)
※いい写真を。ありがとうございます。
笑いながら描いてますね。すごく楽しかった。
太鼓の音が心臓の音だった。
ここから先に、何かが咲いていく。そんなことを描きたかった。